さつきの晴れブログ

現役管理栄養士のつぶやき

管理栄養士の実態

どうも。さつきです。

 

みなさん、

「管理栄養士さん」に会ったことはありますか?

聞いたことのある職業だけど、

会ったことがあるって人は実はそんなにいないのではないでしょうか。

会ったことのある人って、どこで会ったことがあるんでしょう…?

 

まぁ良く言われるのは、

「あぁ、病院とかで食事のダメ出ししてくる人か」

「給食のおばちゃんとか?」

「献立考える人だよね」

みたいな感じですかね。

なんとなく皆さん、

「細かい」「怖い」「几帳面そう」「料理上手」

みたいなイメージを持たれることが多いです。

 

この記事では、

社会人2年目の現役管理栄養士からみた

「管理栄養士」という職について

感じたことを書いていこうと思います。

 

 

【管理栄養士ってどこにいるの?】

管理栄養士の活躍の場は、実はとても広いです。

・病院(総合病院、クリニック、産婦人科、検診センター、歯科医院で雇ってくれることもあります)

・行政機関(乳幼児健診や母親教室にいたりする、地方公務員が一般的です)

・保育園

・給食委託会社(大量調理が必要な施設に派遣される)

・施設(高齢者施設や児童養護施設)

・学校

・スポーツ分野(チーム専属管理栄養士等)

・メーカー(食品系や美容系が主)

・サロン(エステなど)

などなど、まだありそうですがざっとこんな感じ。

 

 

【管理栄養士の卵が辿る道】

栄養士といえば料理上手!

みたいなイメージもあるようですが、

管理栄養士の大学では、

必ずしも皆が料理上手や料理好きでは無かったし、

なんなら料理嫌いな人の方が多かったですし、

私も料理が好きなわけじゃないです。

料理が好きなら調理師を目指せば良いと思います。

 

わたしたちが知りたかったのは『栄養学』です。

その為に高い学費を出して4年生大学に通いました。

※管理栄養士は、4年生大学で専門の学科を履修し、尚且つ国家試験に合格しないとなれません。

 

ですが、栄養学を知るためには必然的に食材や調理について知る必要があり、だから仕方なく料理も覚える。と言った感じでした。

 

食材を知り、調理を学び、栄養学を学び、臨床知識を身につけ、人体の構造も覚え、行政の仕組みも知り、栄養学を人に教育するための教育論や心理学的な内容も学びます。

そうして合格率60%程度の試験を乗り越えて

やっとの思いで管理栄養士になるのです。

 

 

【管理栄養士の実態】

そんな大変な道のりを乗り越えた先にあるのは…

そう、「就職」です。

そこで初めて管理栄養士の卵たちは

この職業の実態を知ります。

 

活躍できる分野は幅広くあると思っていたのに、

来る求人は

「病院での調理補助」

「老人施設での調理と栄養管理」

「保育園での調理」

どこを見ても調理、調理、調理、、、。

 

病院での栄養相談や、メーカーの営業職なども

ちらほらありましたが、

そのどれもが驚きの薄給!!!!!!!

 

最初は絶望でした。

こんなにいろんな分野を頑張って学んだのに、

結局社会からは、「調理師に毛が生えた程度」の存在としてしか認識されていなかったのです。

結局社会からは、高卒程度の給料の価値しかない、

と認識されていたのです。

 

メーカーの商品開発部などで活躍できる栄養士は

ほんの一握り。

しかも新卒でなれるようなところはほぼなく、

経験者募集のところがほとんどでした。

 

絶望した管理栄養士の卵たちは、

仕方なく興味もない調理の仕事につきます。

下積みをして、いつか憧れの職に就こうと。

 

…ですが、

ほとんどの管理栄養士はここでリタイアします。

 

なぜなら、

 

そこでは栄養学なんて微塵も必要とされておらず、

ただ日々の仕事をミスなくこなすことが求められる。

安く大量に食事を作らなければいけない環境では、

より良い食事にすることすら叶いません。

学んだ知識を活かすことは愚か、

忘れないように復習する余裕もないような

業務に追われる日々。

体力仕事で、時間も不規則なところも多く、

おまけに厨房には、怒鳴る人、時間に追われピリピリしてる人、乱暴をする人などが溢れていることが多いです。(私の主観ですが)

 

いろんな活躍の舞台を夢に見て、

必死にさまざまな知識を習得してきた私達は、

想像と現実のあまりのギャップに

そして、日々削られる体力と気力に

毎月の金銭的な悩みに

だんだん耐えられなくなっていきます。

 

卒業して2年の現段階で、

大学時代の同期の約半分程度は早くも

栄養も食事も、全く関係ない分野で

管理栄養士という肩書きを使わずに仕事をしていて、

しかも、

頭が良かった友達ほど、栄養士から離れていっている印象があります。

 

悔しいけど、これが今の日本の現状です。

 

最近は少しずつ栄養学の大切さに気づいてくれる方が増えてきているようで、栄養士の仕事の幅も、広がっていっている気がします。

 

もっと栄養学が、社会で認められて、

皆さんの身近なものになって、

管理栄養士を夢見る子たちが、絶望して

諦めずに済むようになってほしいと願っています。

 

その為に、私も日々勉強して、

いろんな分野で活躍できるようにならないと

と思っています。

 

管理栄養士という職業が、

調理師や事務員と混同されることなく、

誰でも片手間に取れるような資格だと

軽んじられることなく、

「管理栄養士」として認識される日が

きっとくると信じています。